イタリア版『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』 イタリアの心は海のように広い(具体的に言うと地中海くらい)
今週号(2012年48号)の「週刊少年ジャンプ」の『こち亀』のテーマがミニ四駆でした。
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サザえもんはフルカウルミニ四駆ど真ん中世代でして、フルカウルミニ四駆が登場だけでワクワクしてしまいます。『こち亀』には時々ミニ四駆が登場し、しかも大体フルカウルミニ四駆なのですが、スタッフの中にサザえもんと同じ世代の人がいるのでしょうか? (以前リアルミニ四駆のバイスイントルーダーの実物大も登場していた)

↑『こち亀』に登場した、管理人の愛機と同じネオ・トライダガー! 萌えるぜ!
というわけで、今回はあのミニ四駆アニメの話を。今年4月に一度公開したものの再掲載ですが、どうかお楽しみください。
皆さんは第二次ミニ四駆ブームをご存知でしょうか。95年~98年くらいの約4年間、ミニ四駆が子供たちの間で大ブームを巻き起こし、私も田宮模型(ミニ四駆を作ってる会社)の売り上げに貢献しまくったものです。そのブームの中心にあったものが…

『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』
でした。
私は当時これにハマりまくり、アニメが放送される毎週月曜6時が楽しみでたまりませんでした。特集本も買うし、ミニ四駆も買うし、カードも買うし、シールも買うし、ゲームも買うし、CDも買うし、映画も行くし、同人誌も買うし、当時の小遣いの大半を『レツゴ』につぎ込んだものです。もちろん、DVD-BOXも発売と同時に予約して、3シリーズ全て手に入れましたよ!
アニメ『レツゴ』は、3年かけて3年間のストーリーを描いているので、烈や豪と一緒に成長したという感覚がすごく強くあります。まるで仲の良い友達を応援しているような感じで、こればかりはリアルタイムで体験した人以外には決してわからない、特別な思い出なのでしょうね。サザえもんにとって、『レツゴ』は本当に特別な存在なのです。
(余談ですが、『レツゴ』は当時ショタコンのお姉さま方に大人気を博し、同人誌が大量に作られていました。私は『レツゴ』を通して初めて「同人誌」や「即売会」の存在を知りました。あ、今度東京で久しぶりに『レッツ&ゴー』のオンリーイベントが開かれますので勝手に宣伝しておきます。まだ『レッツ&ゴー』ファンがたくさんいるというだけで、サザえもん感涙…)
さて、この『レツゴ』が今や大人気声優となった森久保祥太郎のデビューだったことや、池澤春菜にとっての初の主役でデビュー初期の代表作であることはファンの間ではちょっとだけ有名です。今でもニコニコ動画の「ニコニコ愛されキャラ選手権」で『レツゴ』キャラの一人ハマーDが毎回上位に食い込むなど根強い人気のある作品ですが(烈や豪がランキングに食い込むことは決してない。ハマーDのみ、ネタキャラとしてニコニコで熱い支持を受けている…)、『レツゴ』の思い出を語るとキリがないので本題に入りましょう。
今回紹介したいのは『レツゴ』のイタリア版
『Let's & Go!! Sulle ali di un turbo』
(レッツ&ゴー!! 旋風の翼に乗って)
日本でDVDが発売されたのは2007年になってからでしたが、イタリアでは2005年に発売されていました。それがこちらです。

↑イタリア版DVDを並べてみた。背表紙のイラストが繋がっている

↑パッケージはこんな感じ
本当は51巻あるんですが、42~50までの9巻だけ手に入っていません。欲しい!
しかし、これ随分作りが酷いです。
まず、DVDのくせに日本語が入っていない。字幕も入っていない。画質も荒い。テレビのアナログ放送を録画した感じです。映像特典も何にも入っていません。このブログを読まれている人の中には、日本版を買う代わりに日本語も入っている海外版を買うという人もいらっしゃるのではないかと思いますが、このイタリア版は日本版の代わりにはなりません。
さらに、『レツゴ』は「無印」51話、『WGP』51話、『MAX』51話の全3シリーズ153話あるんですが、どういうわけかパッケージイラストは全て第1シリーズのもの。例えば下のDVDは第3シリーズ『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』のもので、ここから主人公が烈と豪の2人から烈矢と豪樹の2人に代わるんですが、パッケージは第1シリーズの烈と豪のままです。また、オープニングやエンディングも全153話通して同じで、『MAX』では主人公がパッケージにもオープニングにもエンディングにも登場しないという異常事態。かなりテキトーなつくりになっています。

↑『MAX』編第1巻(通産35巻)。
本編に登場しない人たちがパッケージを飾る
さて、本編の内容ですが、キャラクターの名前は全員イタリアっぽい名前に変えられています。最近は少なくなりましたが、以前は欧米輸出の際、視聴者のこども達が覚えやすいように、キャラクターの名前が変えられることが多かったものです。というより、ほとんどの場合変えられていました。
『レツゴ』の場合は以下のように変えられました。
J や Jun、Marina など変わっていない名前もありますが、それは別に変えなくてもイタリアのこどもが覚えられるからでしょうね(Go や Retsu も十分覚えやすいと思うんだが…)。次郎丸がジローラモであるところなんて、微妙に似ているのがおかしいですね。また、Go が Ghigo、Retsu が Ricky、Minami が Margareth であるなど、大体頭文字だけは残しているのがわかります(ミナミがマーガレットってのは、かなりイメージが違うが…)。海外で名前が変えられるとき頭文字だけ残していることってけっこうあるようです。英語版『名探偵コナン』でも、頭文字は残していました。残してるからなんだって気もしますが…。あと鉄心先生の Professor X って一体…。鉄心先生って、「X」と名乗るほど謎の人物だっけ?
それにしても、このアニメは烈と豪が主役だから「レッツ&ゴー」なのに、主人公の名前が Ricky と Ghigo じゃ、「レッツ&ゴー!!」にならないから、イタリア版だとタイトルが意味不明になっちゃってると思うんですが、いいのかなあ。
さて、このように名前が変えられていると、気になるのが彼らの国籍。彼らはイタリア人になってしまったのでしょうか?
いえ、安心してください。彼らは日本人のままです。ちゃんと Great Japan Cup は Great Japan Cup のままで、Great Italia Cup なんぞにはなっておりません。

↑第1話から。Great Japan Cup のままだぜ!
なので、第2シリーズWGP(World Grand Prix)編でも、もちろん彼らは日本代表として出場しています。名前は皆イタリア名なのに日本代表。日本に置き換えれば、スポーツマンガで外国チームに「太郎くん」とか「さとしくん」とかがいるようなもんです。
イタリアの子供は日本人のはずのキャラクターにイタリア風の名前がついていて変に思わないのでしょうか? もし『キャプテン翼』で、外国チームの選手に「山本太郎」「田中一郎」みたいな日本名がついていたら相当滑稽だと思うんですが。
まあ、日本人からしたら、日本人にイタリア名がついていて非常におかしな感じですが、ほとんどのイタリアの子供は日本人の名前がどんな風かなんて知らないでしょうから、どんな名前がついていたって別にいいのでしょう。(日本人も、カンボジア人とかパキスタン人とかがどんな名前つけてるのかなんて知らないもんなあ)
しかし、ここで『レツゴ』ファンが気になるのはこのチーム。

ロッソ・ストラーダ
彼らはイタリアチームなんですが、悪役なんです! なんたって、世界グランプリで禁止されている他のマシンへの攻撃を陰でこっそり行い、相手チームのマシンを次々と破壊していくことで勝ち続けているチームなのです。スポーツマンガだと時々いますね、こういう卑怯なチーム。
ロッソ・ストラーダもファンの間ではヒールとしてかなり人気も出たんですが(特にリーダーのカルロは物語終盤メチャクチャかっこよく、DVD-BOXが発売された際のファン人気投票でも3位に入った)、イタリアで放送する際に、イタリアチームが悪役じゃまずいんじゃないか? 誰もが思う疑問だと思います。(しかも、イタリアチームの選手たちは、ミニ四駆を始めるまでゴミ箱をあさったりパンを盗んだりして生活していたという設定。作者はイタリアをどういう国だと思っていたんだ?)
このアニメでは、世界大会にもかかわらず、国旗が登場するシーンは一箇所もないので、別にイタリアチームを勝手にスペインチームに変えようがイギリスチームに変えようがコンゴ民主共和国チームに変えようが、特に問題ない気がします。
しかし! イタリア人の心は海のように広かった(具体的に言うと地中海くらい)! イタリアチームはイタリアチームのままなのです! 下の画像をご覧ください。

これはDVD第24巻(第70話~第72話収録)のパッケージ裏面で、収録内容の説明があります。一番上、第70話"Gara Pericolosa"(「危険なレース」の意味。日本版のタイトルは「勝て!恐怖のデスマッチ ディオスパーダVSサイクロンマグナム 」)はロッソ・ストラーダが本格的に登場する最初の回なんですが、その説明を見てください。

Carlo, il capitano della squadra italiana
(イタリアチームのキャプテン、カルロ)
イタリアでもイタリアチームはイタリアチームだった!
イタリアが悪役なのに、設定を変えずにそのまま放送したイタリアの心の広さに敬意を払いたいと思います。イタリアの子供は、イタリアチームが日本やドイツやアメリカにボロボロに負けたり、相手に攻撃を仕掛けようとして失敗して自滅するシーンなんかをどういう気持ちで見ていたのだろう…。
さらにイタリアの心の広いところとして、Rosso Strada (赤い道)というこのチーム名、実はイタリア語が間違っているんです。イタリア語は英語と違い形容詞は後ろからかかりますし、strada は女性名詞なので形容詞も女性化し、Strada Rossa が正しいのです。恐らくアニメスタッフは(原作者か?)和伊辞典を引いて、載っていた単語をそのまま英語流に Rosso(赤い) Strada(道) という語順で並べちゃったんじゃないかと思います。
(蛇足ですが、『レツゴ』のスタッフは、どうもあまり外国語わからずに名前なんかをつけちゃってるっぽいです。例えば、ロシアチーム「CCPシルバーフォックス」のリーダーの名前は「ユーリ・オリシェフスカヤ」ですが、「~スカヤ」は女性用の苗字なので、男なら「ユーリ・オリシェフスキー」にならなければなりません。多分適当にロシア人の人名くっつけたんだろうなあ)
イタリアで放送するとき、イタリア語が間違っていたらまずいんじゃないかと思いますが、イタリアの懐はさらに深かった! チーム名も、間違ったイタリア語のまま変更がありませんでした! 流石だぜ、イタリア。そういうところが大好きだ、イタリア! 本当に、イタリアの子供はどういう気持ちでこのアニメを見ていたんだろう…。
しかし、そんなイタリアも、設定を変更した箇所があります。イタリアチームのマシン、ディオ・スパーダです。

↑これが紅の閃光、ディオ・スパーダだ!
ディオ・スパーダ(Dio Spada)とは、イタリア語で「神の剣」を意味します。これまで何回か海外では God という言葉は使いづらいという話をしましたが(こちら参照)、やはりこの Dio(神) という単語がいけなかったのでしょうか? 以下のように名前が変更になりました。
Dio Spada
↓
D10 Spada
そう! Dio が D10 になったのです!
恐らくマシンに DIO SPADA って書かれているから、マシン名を変えるのは難しい。でも DIO という単語は使いたくない。そこでイタリアスタッフは考えた。
「DIO じゃなくて D10 って書いてあるってことにすればいいんじゃね!? やべ、オレって天才!」
とまあ、勝手な想像ですが、恐らくこんな感じで Dio Spada が D10 Spada(ディー・ディエーチ・スパーダ) ってなっちゃったんだと思います。一体何なんだ、D10って…。
タイトルは意味不明だし(Ricky と Ghigo じゃ Let's & Go にならないぞ!)、イタリアチームが卑怯なことをして日本にボロボロにやられたり自滅したりして、チームの名前もイタリア語が間違っていて、マシンの名前も意味不明。本当に、イタリアの子供はこのアニメをどういう気持ちで見ていたのか、実に気になります。誰かイタリア人の知り合いがいる方で、もしその人が『レッツ&ゴー!!』を知っていたら、聞いてみてもらえませんか?
「MANGA王国ジパング」はこれからも海のように(具体的に言うと地中海くらい)心の広いイタリアを応援します! モンティ首相、頑張ってイタリアの経済を立て直して、日本のアニメをドンドン買ってね。(モンティ首相は凄い人らしく、本名がマリオ・モンティなのでスーパー・マリオと呼ばれているそうな)
ではまた!

↑サザえもんが描いたイラスト(ボールペン描き)
今でも主要キャラはスラスラ描けるぜ!
当時、レツゴの絵ばっかり描いてたもんなぁ
やはり『レツゴ』は最高である
(ところで、この『レッツ&ゴー!!』って、世界編4強が日・独・伊・米の4カ国なんだけど、このせいで世界史の授業で「日独伊三国同盟」という単語に萌えてしまった不届き者は、私だけではないはずだ…)

※「購読」とはブログ更新のお知らせが行くシステムの事で、お金を払う購読ではありませんのでご安心を

↓放送終了から10数年。テレビのテーマソングと特別編『Girl』の曲を全て収録して復活!
サザえもんはフルカウルミニ四駆ど真ん中世代でして、フルカウルミニ四駆が登場だけでワクワクしてしまいます。『こち亀』には時々ミニ四駆が登場し、しかも大体フルカウルミニ四駆なのですが、スタッフの中にサザえもんと同じ世代の人がいるのでしょうか? (以前リアルミニ四駆のバイスイントルーダーの実物大も登場していた)

↑『こち亀』に登場した、管理人の愛機と同じネオ・トライダガー! 萌えるぜ!
というわけで、今回はあのミニ四駆アニメの話を。今年4月に一度公開したものの再掲載ですが、どうかお楽しみください。
皆さんは第二次ミニ四駆ブームをご存知でしょうか。95年~98年くらいの約4年間、ミニ四駆が子供たちの間で大ブームを巻き起こし、私も田宮模型(ミニ四駆を作ってる会社)の売り上げに貢献しまくったものです。そのブームの中心にあったものが…

『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』
でした。
私は当時これにハマりまくり、アニメが放送される毎週月曜6時が楽しみでたまりませんでした。特集本も買うし、ミニ四駆も買うし、カードも買うし、シールも買うし、ゲームも買うし、CDも買うし、映画も行くし、同人誌も買うし、当時の小遣いの大半を『レツゴ』につぎ込んだものです。もちろん、DVD-BOXも発売と同時に予約して、3シリーズ全て手に入れましたよ!
アニメ『レツゴ』は、3年かけて3年間のストーリーを描いているので、烈や豪と一緒に成長したという感覚がすごく強くあります。まるで仲の良い友達を応援しているような感じで、こればかりはリアルタイムで体験した人以外には決してわからない、特別な思い出なのでしょうね。サザえもんにとって、『レツゴ』は本当に特別な存在なのです。
(余談ですが、『レツゴ』は当時ショタコンのお姉さま方に大人気を博し、同人誌が大量に作られていました。私は『レツゴ』を通して初めて「同人誌」や「即売会」の存在を知りました。あ、今度東京で久しぶりに『レッツ&ゴー』のオンリーイベントが開かれますので勝手に宣伝しておきます。まだ『レッツ&ゴー』ファンがたくさんいるというだけで、サザえもん感涙…)
さて、この『レツゴ』が今や大人気声優となった森久保祥太郎のデビューだったことや、池澤春菜にとっての初の主役でデビュー初期の代表作であることはファンの間ではちょっとだけ有名です。今でもニコニコ動画の「ニコニコ愛されキャラ選手権」で『レツゴ』キャラの一人ハマーDが毎回上位に食い込むなど根強い人気のある作品ですが(烈や豪がランキングに食い込むことは決してない。ハマーDのみ、ネタキャラとしてニコニコで熱い支持を受けている…)、『レツゴ』の思い出を語るとキリがないので本題に入りましょう。
今回紹介したいのは『レツゴ』のイタリア版
『Let's & Go!! Sulle ali di un turbo』
(レッツ&ゴー!! 旋風の翼に乗って)
日本でDVDが発売されたのは2007年になってからでしたが、イタリアでは2005年に発売されていました。それがこちらです。

↑イタリア版DVDを並べてみた。背表紙のイラストが繋がっている

↑パッケージはこんな感じ
本当は51巻あるんですが、42~50までの9巻だけ手に入っていません。欲しい!
しかし、これ随分作りが酷いです。
まず、DVDのくせに日本語が入っていない。字幕も入っていない。画質も荒い。テレビのアナログ放送を録画した感じです。映像特典も何にも入っていません。このブログを読まれている人の中には、日本版を買う代わりに日本語も入っている海外版を買うという人もいらっしゃるのではないかと思いますが、このイタリア版は日本版の代わりにはなりません。
さらに、『レツゴ』は「無印」51話、『WGP』51話、『MAX』51話の全3シリーズ153話あるんですが、どういうわけかパッケージイラストは全て第1シリーズのもの。例えば下のDVDは第3シリーズ『爆走兄弟レッツ&ゴー!!MAX』のもので、ここから主人公が烈と豪の2人から烈矢と豪樹の2人に代わるんですが、パッケージは第1シリーズの烈と豪のままです。また、オープニングやエンディングも全153話通して同じで、『MAX』では主人公がパッケージにもオープニングにもエンディングにも登場しないという異常事態。かなりテキトーなつくりになっています。

↑『MAX』編第1巻(通産35巻)。
本編に登場しない人たちがパッケージを飾る
さて、本編の内容ですが、キャラクターの名前は全員イタリアっぽい名前に変えられています。最近は少なくなりましたが、以前は欧米輸出の際、視聴者のこども達が覚えやすいように、キャラクターの名前が変えられることが多かったものです。というより、ほとんどの場合変えられていました。
『レツゴ』の場合は以下のように変えられました。
![]() 星馬豪 → Ghigo(ギーゴ) | ![]() 星馬烈 → Ricky(リッキー) | ![]() 鷹羽リョウ → Ryo(リョー) |
![]() J → J | ![]() 三国藤吉 → Edoardo(エドアルド) | ![]() 鷹羽次郎丸 → Gerolamo(ジェローラモ) |
![]() 土屋博士 → Professor Jeep (ジープ博士) | ![]() 大神博士 → Professor Orland (オルランド博士) | ![]() 鉄心先生 → Professor X (X博士) |
![]() 一文字豪樹 → George (ジョージ) | ![]() 一文字烈矢 → Robin (ロビン) | ![]() 大神マリナ → Marina (マリナ) |
![]() 新井ミナミ → Margareth (マーガレット) | ![]() 佐上ジュン → Jun (ジュン) | ![]() こひろまこと → Michael (ミカエル) |
J や Jun、Marina など変わっていない名前もありますが、それは別に変えなくてもイタリアのこどもが覚えられるからでしょうね(Go や Retsu も十分覚えやすいと思うんだが…)。次郎丸がジローラモであるところなんて、微妙に似ているのがおかしいですね。また、Go が Ghigo、Retsu が Ricky、Minami が Margareth であるなど、大体頭文字だけは残しているのがわかります(ミナミがマーガレットってのは、かなりイメージが違うが…)。海外で名前が変えられるとき頭文字だけ残していることってけっこうあるようです。英語版『名探偵コナン』でも、頭文字は残していました。残してるからなんだって気もしますが…。あと鉄心先生の Professor X って一体…。鉄心先生って、「X」と名乗るほど謎の人物だっけ?
それにしても、このアニメは烈と豪が主役だから「レッツ&ゴー」なのに、主人公の名前が Ricky と Ghigo じゃ、「レッツ&ゴー!!」にならないから、イタリア版だとタイトルが意味不明になっちゃってると思うんですが、いいのかなあ。
さて、このように名前が変えられていると、気になるのが彼らの国籍。彼らはイタリア人になってしまったのでしょうか?
いえ、安心してください。彼らは日本人のままです。ちゃんと Great Japan Cup は Great Japan Cup のままで、Great Italia Cup なんぞにはなっておりません。

↑第1話から。Great Japan Cup のままだぜ!
なので、第2シリーズWGP(World Grand Prix)編でも、もちろん彼らは日本代表として出場しています。名前は皆イタリア名なのに日本代表。日本に置き換えれば、スポーツマンガで外国チームに「太郎くん」とか「さとしくん」とかがいるようなもんです。
イタリアの子供は日本人のはずのキャラクターにイタリア風の名前がついていて変に思わないのでしょうか? もし『キャプテン翼』で、外国チームの選手に「山本太郎」「田中一郎」みたいな日本名がついていたら相当滑稽だと思うんですが。
まあ、日本人からしたら、日本人にイタリア名がついていて非常におかしな感じですが、ほとんどのイタリアの子供は日本人の名前がどんな風かなんて知らないでしょうから、どんな名前がついていたって別にいいのでしょう。(日本人も、カンボジア人とかパキスタン人とかがどんな名前つけてるのかなんて知らないもんなあ)
しかし、ここで『レツゴ』ファンが気になるのはこのチーム。

ロッソ・ストラーダ
彼らはイタリアチームなんですが、悪役なんです! なんたって、世界グランプリで禁止されている他のマシンへの攻撃を陰でこっそり行い、相手チームのマシンを次々と破壊していくことで勝ち続けているチームなのです。スポーツマンガだと時々いますね、こういう卑怯なチーム。
ロッソ・ストラーダもファンの間ではヒールとしてかなり人気も出たんですが(特にリーダーのカルロは物語終盤メチャクチャかっこよく、DVD-BOXが発売された際のファン人気投票でも3位に入った)、イタリアで放送する際に、イタリアチームが悪役じゃまずいんじゃないか? 誰もが思う疑問だと思います。(しかも、イタリアチームの選手たちは、ミニ四駆を始めるまでゴミ箱をあさったりパンを盗んだりして生活していたという設定。作者はイタリアをどういう国だと思っていたんだ?)
このアニメでは、世界大会にもかかわらず、国旗が登場するシーンは一箇所もないので、別にイタリアチームを勝手にスペインチームに変えようがイギリスチームに変えようがコンゴ民主共和国チームに変えようが、特に問題ない気がします。
しかし! イタリア人の心は海のように広かった(具体的に言うと地中海くらい)! イタリアチームはイタリアチームのままなのです! 下の画像をご覧ください。

これはDVD第24巻(第70話~第72話収録)のパッケージ裏面で、収録内容の説明があります。一番上、第70話"Gara Pericolosa"(「危険なレース」の意味。日本版のタイトルは「勝て!恐怖のデスマッチ ディオスパーダVSサイクロンマグナム 」)はロッソ・ストラーダが本格的に登場する最初の回なんですが、その説明を見てください。

Carlo, il capitano della squadra italiana
(イタリアチームのキャプテン、カルロ)
イタリアでもイタリアチームはイタリアチームだった!
イタリアが悪役なのに、設定を変えずにそのまま放送したイタリアの心の広さに敬意を払いたいと思います。イタリアの子供は、イタリアチームが日本やドイツやアメリカにボロボロに負けたり、相手に攻撃を仕掛けようとして失敗して自滅するシーンなんかをどういう気持ちで見ていたのだろう…。
さらにイタリアの心の広いところとして、Rosso Strada (赤い道)というこのチーム名、実はイタリア語が間違っているんです。イタリア語は英語と違い形容詞は後ろからかかりますし、strada は女性名詞なので形容詞も女性化し、Strada Rossa が正しいのです。恐らくアニメスタッフは(原作者か?)和伊辞典を引いて、載っていた単語をそのまま英語流に Rosso(赤い) Strada(道) という語順で並べちゃったんじゃないかと思います。
(蛇足ですが、『レツゴ』のスタッフは、どうもあまり外国語わからずに名前なんかをつけちゃってるっぽいです。例えば、ロシアチーム「CCPシルバーフォックス」のリーダーの名前は「ユーリ・オリシェフスカヤ」ですが、「~スカヤ」は女性用の苗字なので、男なら「ユーリ・オリシェフスキー」にならなければなりません。多分適当にロシア人の人名くっつけたんだろうなあ)
イタリアで放送するとき、イタリア語が間違っていたらまずいんじゃないかと思いますが、イタリアの懐はさらに深かった! チーム名も、間違ったイタリア語のまま変更がありませんでした! 流石だぜ、イタリア。そういうところが大好きだ、イタリア! 本当に、イタリアの子供はどういう気持ちでこのアニメを見ていたんだろう…。
しかし、そんなイタリアも、設定を変更した箇所があります。イタリアチームのマシン、ディオ・スパーダです。

↑これが紅の閃光、ディオ・スパーダだ!
ディオ・スパーダ(Dio Spada)とは、イタリア語で「神の剣」を意味します。これまで何回か海外では God という言葉は使いづらいという話をしましたが(こちら参照)、やはりこの Dio(神) という単語がいけなかったのでしょうか? 以下のように名前が変更になりました。
Dio Spada
↓
D10 Spada
そう! Dio が D10 になったのです!
恐らくマシンに DIO SPADA って書かれているから、マシン名を変えるのは難しい。でも DIO という単語は使いたくない。そこでイタリアスタッフは考えた。
「DIO じゃなくて D10 って書いてあるってことにすればいいんじゃね!? やべ、オレって天才!」
とまあ、勝手な想像ですが、恐らくこんな感じで Dio Spada が D10 Spada(ディー・ディエーチ・スパーダ) ってなっちゃったんだと思います。一体何なんだ、D10って…。
タイトルは意味不明だし(Ricky と Ghigo じゃ Let's & Go にならないぞ!)、イタリアチームが卑怯なことをして日本にボロボロにやられたり自滅したりして、チームの名前もイタリア語が間違っていて、マシンの名前も意味不明。本当に、イタリアの子供はこのアニメをどういう気持ちで見ていたのか、実に気になります。誰かイタリア人の知り合いがいる方で、もしその人が『レッツ&ゴー!!』を知っていたら、聞いてみてもらえませんか?
「MANGA王国ジパング」はこれからも海のように(具体的に言うと地中海くらい)心の広いイタリアを応援します! モンティ首相、頑張ってイタリアの経済を立て直して、日本のアニメをドンドン買ってね。(モンティ首相は凄い人らしく、本名がマリオ・モンティなのでスーパー・マリオと呼ばれているそうな)
ではまた!

↑サザえもんが描いたイラスト(ボールペン描き)
今でも主要キャラはスラスラ描けるぜ!
当時、レツゴの絵ばっかり描いてたもんなぁ
やはり『レツゴ』は最高である
(ところで、この『レッツ&ゴー!!』って、世界編4強が日・独・伊・米の4カ国なんだけど、このせいで世界史の授業で「日独伊三国同盟」という単語に萌えてしまった不届き者は、私だけではないはずだ…)

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↓放送終了から10数年。テレビのテーマソングと特別編『Girl』の曲を全て収録して復活!
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この記事へのコメント
ノリノリですね
当時小学生だったがカルロ好きだったなぁ…
今現在、日本のコンテンツを楽しんでいる人というのはそういう所も含めて評価してくれている
「子供が見るからアニメの中でキャラクターを殺してはいけません、必ずうめき声を出させてください」なんて国だと友に戦ってきた仲間との最期の別れのシーンがどれほど間抜けな事か… まだ生きてるんだから早く病院連れて行け!ってね
なかなか難しいよね
国際展開をするアニメはサッカー等いろいろありますが
日本の作品だから悪役として出てくる国も結構あるんですよね
キャプ翼とか大丈夫だったんだろうかw
両方を受け入れる懐の深さがありますよね
有名な車のブランド持ってる国かな?
どうなんだろうね
んで相手が米と。
懐かしい
レツゴーは今見ても面白い、映画もすげー好き
北と南で違うし、マフィアやゴミ問題も有名だな。
まるで日本が「日本はヤクザや変態文化が盛んで有名だな」って言われてそうで嫌だなw
ちゃんと「ポルコ・ロッソ」の順番になってるね。
D(iego)10(背番号)=Dioな
ナポリをスクデットに迫るチームにしたから
案外、元のDioとして捉えてるのかもな
たしかレツゴのあとはタッキーとか翼のジャニーズの番組だった気が
個人的にはレーサーmini4駆が出た時が第一次ブーム
GUパーツが出た時以降が第二次ブーム
(ジャパンカップやらmini4ファイターやら前ちゃんやら四駆郎やら全部ひっくるめて)
レツゴーは第三次ブームだと思ってるんだがどうなんだろうか
世間的にはジャパンカップ以前はブームじゃない扱いなんだろうか
一次からの世代なもんでフルカウルは好かん
走らないスピンコブラは買った