服部平次はアルバータ州出身で黒の組織の仲間? 北米版『名探偵コナン』の設定が意味不明すぎる

『名探偵コナン』は、連載開始から20年が経つ、日本を代表する超人気作品です。私は単行本は全巻所持、テレビは毎週録画、映画も欠かさず見に行くかなりのファンで、当然北米版『コナン』も手に入れています。
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しかし、以前もこちらでも紹介しました通り、いまどきのアニメとしては珍しく、かなりのアメリカナイズがされていました。

まずキャラクターの名前が、みんなアメリカ化。誰だお前ら!
あゆみちゃんがエイミー・イェーガー…。獲物を屠りそうだな、おいw


江戸川コナン
→ Conan Edogawa
(※変更なし)

工藤新一
→ Jimmy Kudo
(ジミー工藤)

毛利蘭
→ Rachel Moore
(レイチェル・ムーア)

毛利小五郎
→ Richard Moore
(リチャード・ムーア)

服部平次
→ Harley Hartwell
(ハーリー・ハートウェル)

阿笠博士
→ Hershel Agasa
(ハーシェル・アガサ)

吉田歩美
→ Amy Yeager
(エイミー・イェーガー)

小嶋元太
→ George Kaminski
(ジョージ・カミンスキー)

円谷光彦
→ Mitch Tennyson
(ミッチ・テニソン)

灰原哀
→ Vi Graythorn
(ヴァイ・グレイソーン)

鈴木園子
→ Serena Sebastian
(セリーナ・セバスチャン)

遠山和葉
→ Kirsten Thomas
(カーストン・トーマス)

目暮十三
→ Joseph Meguire
(ジョセフ・マグワイア)

白鳥任三郎
→ Nicholas Santos
(ニコラス・サントス)

高木渉
→ Harry Wilder
(ハリー・ワイルダー)

まあ、名前を変えるだけなら珍しくありません。欧米の子供にも覚えやすいように名前を変更することはよくあることです。『キャプテン翼』なんかでも名前は変えられていました(こちら)。

しかし、『キャプテン翼』では舞台は日本のままでしたが、『名探偵コナン』では、舞台がアメリカなのか日本なのかわけわからんことになっているのです。以前執筆した記事では、「舞台は日本のまま」と書きましたが、どうもそうとも言えないシーンが多々あるのです。

例えば、黒の組織の男の一人、テキーラ。こいつは関西弁キャラなのですが、北米版ではニューヨーク訛りで、コナンが「多分東海岸出身の人だよ」と言っています。関西と東海岸じゃ偉く違う気がするが…。


↑ニューヨーカーにされた北米版テキーラさん

他にも第92話『恐怖のトラヴァース殺人事件』(英題 Mountain Fox)で登場した高梨亘氏は、どういうわけか勝手にパリ出身のフランス人にされ、"Merci, mon ami." なんてフランス語を話すシーンまで登場します。フランス人である必要性などかけらほどもないのに、一体どういうわけなのでしょう?

↑花の都パリ出身?

出身地関連で特に驚きなのが服部平次。彼はどういうわけかアルバータ出身にされてしまいました。みんなで大阪観光をする際、大阪の風景を見ながら、「どや、アルバータはええ街やろ!」と言うのです。なんやて工藤!


↑「どや工藤。これがアルバータの街やで!!」
(第118話「浪花の連続殺人事件」
 英語版124話 "Licence to Die")

「お好み焼き」は「デザート」に変えられ、「大阪ではお好み焼きと一緒にご飯を食べる」は「アルバータではデザートと一緒にライスを食べる」に変えられていました。どんな食文化やねん、アルバータ! ライスおいしいねん!

この「アルバータ」がカナダのアルバータ州なのか、架空の町なのかはわかりません。しかし、日本版で「剣道の試合で怪我した」というセリフが「ホッケーの試合で怪我した」に変えられていたのと、吹き替え版大滝警部の訛りから考えると、やはりカナダのアルバータ州のことなんだと思います。


「オレ、ホッケーやってたんか。知らんかった…」

「大阪弁やのうて、カナダ英語で話しまっせ、eh?」

しかし、その一方で劇場版第3弾『世紀末の魔術師』(英題 The Last Wizard of the Century)で大阪が出てきたときは、どういうわけか普通に Osaka Castle とか Tsutenkaku Tower とか言っているのです。結局北米版服部の出身地はどこなのでしょう?

また、第5話「新幹線爆破事件」(英題 The Time Bomb Express)で登場した富士山は Mt. Fincher という名前に変えられているのに、劇場版第5弾『天国へのカウントダウン』(英題 Cound down to Heaven)で登場した富士山は Mt. Fuji のままなのです。この一貫性の無さは何なのでしょう?


↑第5話登場 Mt. Fincher

↑劇場版登場 Mt. Fuji
統一せーちゅーねん!

一貫性がないと言えば、先ほど歩美ちゃんの名前が「エイミー・イェーガー」に変えられていると言いましたが、「エイミー吉田」と呼ばれているシーンも存在します。翻訳者ちゃんとしろ!

さらにこのアメリカナイズ翻訳は、ちょこちょこセリフを好き勝手に変えてしまいます。先ほど服部の「剣道」が「ホッケー」に変えられていたのもそうですが、元太が大好きなのがうな重からピザに変えられているなど、細かいところで日本的なものがかなりの割合で消されています。


↑「うな重! うな重!」と言いながら走る元太少年が
 英語版では "I love pizza!" と言いながら走るジョージ少年に変更!

アメリカナイズでも何でもないセリフ変更も多々あり、第8話『美術館オーナー殺人事件』(英題 Art Museum Murder Case)、犯人は全てが暴かれ、「純真な小さな正義の目は欺けなかった」と語ります。この「小さな正義の目」は当然コナンのことを指しているのですが、小五郎のおっちゃんはそのことが分からず「小さな正義の目?」とキョトンとする、というシーンがあります。

これが英語版では"the pure eyes of a young detective"(若き探偵の純粋な目)と訳されているのですが、小五郎のおっちゃんはこれに対し "Actually I'm 43."(オレは43歳だ)と返し、勝手に年齢設定がなされてしまいました。ちなみに日本版ではおっちゃんはまだ38です。


↑43歳の英語版毛利小五郎(Richard Moore)

まあ、おっちゃんの年齢くらいは大したことじゃないんですが、ちょこちょここういう勝手な変更がありまして、私が特に「こりゃあかん」と思ったのは、ジンとウォッカの設定。

実は、アニメ版ではジンとウォッカのコードネームが明かされるシーンはアニメ化されていません。原作では初期の新幹線爆破事件でコードネームが明らかになるのですが、アニメ版ではその事件を黒の組織と関係ない設定に変更してしまったため、コナンはジンとウォッカのコードネームを知る機会を失ってしまいました。

そのため、放送1周年の第52話「霧天狗伝説殺人事件」の冒頭で、これまでのストーリーを振り返るモノローグの中で初めて彼らのコードネームがジンとウォッカであることが明かされました。結局アニメ版では、どうやってコナン君がジンとウォッカの名を知ったのかはあいまいなままです。これはアニメ版のミスでしたね。




↑アニメ版において初めて「ジン」と「ウォッカ」の名が登場したシーン
ここはやっぱりちゃんと原作通りやってほしかった

(第52話 霧天狗伝説殺人事件)

しかし、なんと英語版ではコナン君がどうやって彼らの名を知ったか明らかにされているのです! 第54話「ゲーム会社殺人事件」(英題 Game Gone Bad)において、英語版コナン君はこう言っています。


↑第54話「ゲーム会社殺人事件」より

Jin and Vodka!
A while back, Harley told me those are the codenames of the men in black who poisoned me and made me shrink!

(ジンとウォッカ!
 それがオレに毒を飲ませて小さくした黒ずくめの男たちのコードネームだって、
 この間 Harley(※服部の英語名)が教えてくれたぜ!)

なんと! 英語版では「ジン」と「ウォッカ」というコードネームは、服部がコナンに教えてくれたことになっていました! な、なんやて工藤!

なんで服部が彼らのコードネーム知ってんねん! 服部、実はやつらの仲間? しかもこのエピソードの段階では、まだ服部はコナンの正体を知りません! 全く理屈が通らないわけのわからん設定!

英語版スタッフは、アニメ版ではコナンが黒ずくめの2人のコードネームを知るエピソードがないので気を利かせてなんとか理由づけようとしたのでしょうが、結果的に日本版以上にわけのわからんことになってしまいました。日本版ではコナン君がどうやって彼らのコードネームを知ったのかが謎ですが、英語版では服部がどうして彼らのコードネームを知っているのか、どうしてそれをコナン君に教えてくれるのか、謎が一層深まってしまいました。

なんかこの北米版では、こういうわけのわからない変更や、珍妙なアメリカナイズ、キャラクターの性格設定まで変わりそうなセリフ変更、さらには事件解決に支障をきたすようなものまで存在します。翻訳スタッフが「より面白くしてやろう」と独断で日本版を無視して行った変更で作品がダメになる。結局北米では『コナン』は日本で得たような人気は得られなかったのですが(テレビ放映は50話で終わり、DVDのリリースも123話で止まってしまった)、こういうところにその一因がある気がします。

この翻訳会社はFUNimationという、それなりに名の通ったところですが、同時に『ドラゴンボール』の翻訳などで「やらかしちゃった」ことでも有名な会社です(『ドラゴンボール』についてはこちら

「たられば」ではありますが、もうちょっとまともな翻訳してたら、『コナン』はもっと人気が出てていい作品だと思います。小学館と日本テレビはFUNimationに文句を言っていいと思う。

「翻訳テロ」と呼べるようなひどい翻訳が溢れていたころに比べれば、何百倍もマシになった現在のアニメ翻訳業界ですが、翻訳版を作る際、面倒でも日本側も出来をチェックすることが必要なんじゃないかと思います。もちろん北米だけじゃなく世界数十か国に輸出されることを考えると、すべてチェックするのは無理なのかもしれませんが、せめて英語版ぐらいチェックするシステムがあってもいいんじゃないかという気がしております。日テレさん、私がやってもいいですよ(笑)

日本のアニメがよりよい形で世界に広まることを祈念しつつ、ではまた!


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この記事へのコメント

名無し
2014年01月17日 21:45
翻訳有難うございます
すごく面白かった
2014年01月17日 22:17
何だよこれww
 
2014年01月17日 22:44
なんやて工藤!
名無し
2014年01月17日 23:00
ワロタwww
これはネタにされるなwwwww
名無し
2014年01月18日 00:22
なんやてHarley!
平ちゃん!
2014年01月18日 02:24
「翻訳テロ事件:事件編」
名無しや工藤
2014年01月18日 03:11
ワロてまうやろ工藤wwwwwwwww

・・・色々と突っ込みところ大杉ィ!!!
名無し
2014年01月18日 07:32
舞台は日本だからいろいろ矛盾ありますね(笑)
 
2014年01月18日 11:04
すでに登場した人物に黒幕がいるのなら
お得意の推理ですでにわかっててもよさそうなんだけどな
名無し
2014年01月18日 11:07
イニシャルは日本名に合わせてあるんだな
しかしまたいきあたりばったりな翻訳だなw
ななし
2014年01月18日 13:09
>管理人様
「学校の怪談」の北米翻訳がおもしろい、って聞いたんですが
なんかご存じないでしょうか?
サザえもん
2014年01月18日 13:15
>>ななしさん

申し訳ありませんが『学校の怪談』は日本版も見たことがなく、わかりません。機械があれば調べてみたいと思います。
 
2014年01月18日 17:27
日本でのビーストウォーズみたいな状態になってるのかな?w
00
2014年01月18日 22:57
『学校の怪談』について、以前どこかのサイトで見ましたけど
怪談なのでオリジナルは当然シリアスで怖い話なのに対して
北米版の吹替は内容が全然違うギャグ満載のコメディ仕様になっていて
(トランスフォーマー・ビーストウォーズ と丁度逆で)
それがカルトな人気を呼んでいるということでしたよ
xXx
2014年01月25日 12:04
名前を変更するとき、イニシャルは変わらないようにするのは、キャラクターの持ち物等に書かれているイニシャルが画面に映る可能性を考えていると何かで読んだ気がしますが、新一、哀、小五郎、高木刑事は違ってますね。

以前テレビで日本アニメの海外放映版との比較が紹介されていましたが、コナンでは、ダイイングメッセージの「コマイヌ」が「ニマイメ」に書き足された物だと推理が進んでいくシーンは、日本語の文字を無視して全く違う外国人の名前が書かれている事になってました。
2014年02月04日 20:56
韓国版のアニメの方も登場人物の名前が変更されたと聞きましたが
通りすがりの外国人
2016年07月07日 16:46
あの会社に英語版チェックする人がいないから意味ないでしょう…
TMSからの脚本がもともと日本人訛りの英語で人名の読み方だって全然違うだからあてにならない、きっと資格のない人に台本だけ渡されて翻訳してと言ったかよ。
鴨のスープを好まれる治郎吉相談役とキッドとか、OPのところの決め台詞「江戸川コナンの出番では未解決事件なんてナッシング!!」もあれれ?w

しかもいくつかのスペイン語の吹き替え版は日本語能力がある人がないからただ単にそのめちゃくちゃ英語をスペイン語に翻訳されてしまって速すぎてネイティブも聞き取りづらいスペイン語にw
この記事のCountdown, Gin, Licenseみたいにあの脚本にスペルミスも数多い。
Licenceはイギリス英語でいいけどアメリカナイズだから今回は駄目ね。
まぁ少年サンデーもよくWodkaを使ってるしTMSだってShellyを直さなかった。ロンドン編の謎文も意味不明だから青山先生もチェックできないね。