『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』でわかるイタリアのちょっと過敏な規制基準

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『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』は、90年代後半、小中学生に爆発的ミニ四駆ブームを巻き起こした傑作アニメです。今回はそのイタリア版の話。


↑イタリア版『爆走兄弟レッツ&ゴー』DVD

海外では、しばしば日本のアニメはセックス&バイオレンスだなんて言われます。例えば手元にある『オックスフォード新英英辞典』(ODE)の2003年の版では、anime の定義がこうなっています。
anime /ˈanɪmeɪ, ˈanɪmə/)
noun [mass noun] Japanese films and television animation, typically having a science-fiction theme and sometimes including violent or explicitly sexual material.

(日本のテレビアニメーションまたはアニメーション映画。概してSFをテーマとし、時に暴力や露骨な性的な描写を含む

「概してSFをテーマとする」なんて書いてあるあたりかなり偏った定義ですが(多分『AKIRA』とか『攻殻機動隊』とかの影響なんだろうなあ)、オックスフォードの辞書で、日本アニメの特徴として「暴力や露骨な性的描写」を挙げられてしまうくらい、欧米的感覚では日本アニメは暴力的でえっちぃらしいです。

というわけで、どのくらい暴力的でえっちぃと規制が入るのか、『レッツ&ゴー!!』で検証してみました。はたして原作が「コロコロコミック」連載であるミニ四駆アニメに、そんなの暴力的でえっちぃ描写があるのでしょうか?

『レツゴ』ではそもそも暴力描写がほとんどなく、よくケンカしている印象のある烈と豪も殴り合いのケンカはほぼ皆無なのですが、非常に珍しく烈が豪を叩いたのが第84話「ビクトリーズ壊滅!!死闘タワーサーキット!」。チームの仲間を、敵チームロッソ・ストラーダのラフプレーから守ろうとした豪ですが、そんなこととは知らない烈の目には、豪の走りこそラフプレーに映ってしまいます。そして「あんな走りをして、恥ずかしくないのか!」とひっぱたかれます。

↑多分、作中 烈が豪に手をあげた唯一のシーン

このシーンはカットされていませんでした。単なる暴力ではないと判断されたのか、カットするほどではないと判断されたのか、いずれにせよこの程度ではイタリアでもカットされないようです。

一方、第88話「荒馬たちの挽歌」でロッソ・ストラーダのリーダー・カルロがチームメイトのルキノを殴るシーン。ロッソ・ストラーダが相手マシンへ攻撃を仕掛けていたことにより、2か月間の出場停止を言い渡され、そのきっかけを作ったルキノは自分のことは棚に上げて、カルロに「この責任どうとるんだ!」と詰め寄ります。その言葉にキレたカルロが「消えてなくなれ!」とルキノを思いっきりぶん殴ります。

これが子供のケンカレベルではない、一方的な理不尽な暴力と判断されたのか、イタリア版ではこのシーンがカットされています。子供同士であっても、こういう暴力はイタリアのお茶の間にはお届けできないようです。個人的にこの「消えてなくなれ!」という言い回しが好きだったので、カットされたのはちょっと残念。また、この回はカルロとルキノの対立が決定的になる回なので、やっぱりカルロにはルキノをぶん殴って欲しかったです。

(この次の回でルキノは造反。新ロッソ・ストラーダを結成しそのリーダーとなり、カルロに反旗を翻す。ミニ四駆使って何やってんだ、この子ら)

↑必殺消えてなくなれパンチ。イタリアではカット

他にも、第71話「リズムに乗って突っ走れ! あつい国から来たレーサー」でクール・カリビアンズのピコとリタが、昔いじめられていたという回想シーンがあるのですが、そこもカットされています。やはり、一方的な暴力と言うのがいけないんでしょうね、きっと。まあ、このシーンはそもそも日本版でも全く必要なく、どうしてこんな描写を入れたのかわからなかったので、カットしても構わんでしょう。

↑いじめのシーンはカット。いじめ、かっこ悪い!

直接的な暴力でなくてもカットされているシーンもあります。上述のカルロは、プロフィールに「趣味:ナイフの手入れ」と書かれているくらい、暇なときはいっつもナイフをいじっています。しかし、先ほどの第88話「荒馬たちの挽歌」でナイフを手入れしているシーン及びナイフを壁に投げつけるシーンはカット、またはナイフがフレームアウトしていました。別の回では普通にナイフが映っていることもあるんですが、基準がよくわかりません。投げるのがいけなかったんですかね?

↑左:日本 右:イタリア
ナイフをフレームアウトさせるため
左上の部分をズームにして不自然な感じになってる

↑このシーンはカット。子供が真似してナイフ投げるといけないとおもったのかな?

こういうふうに殴ったりナイフを使ったりするシーンはカットされていますが、マシンを攻撃するシーンはカットされていません。まあ、カットしちゃうとストーリーが成り立たなくなるんですが、人対人じゃなければOKなんでしょうか。(下は第88話でディオ・スパーダがトライダガーに攻撃を仕掛けるシーン。ZMC製のボディを貫くってどんなナイフだ!)

↑マシン対マシンのシーンは、暴力的でもカットされていない

以上、ここまで暴力的なシーンについて見てきましたが、えっちぃシーンはどうでしょうか? 小さなお友達から大きなお姉さま方まで楽しめる『レツゴ』にえっちぃシーンはほとんど登場しませんが、それでもカットされたシーンは存在します。

第5話「再対決! トライダガーX 地下水路の戦い!」で水浸しになったため豪が服を脱いだシーンで、豪のお尻が映るシーンはカットされています。日本だとこれくらいのシーンは誰も何とも思いませんが、欧米では男の子の裸も多くの場合規制が入るようです。

↑このシーンはイタリアではカットされています

しかし! どういうわけか第45話「烈の裏切り!? ソニックVSマグナム」で烈のお尻が丸出しになるシーンはカットされていませんでした! 豪は濡れたから服を脱いだ不可抗力だけど、こっちは爺さんにズボンとパンツを下ろされるというセクハラシーン。規制するならこっちの方だと思うのですが、どういうわけかイタリアでは豪くんのお尻はNGで烈くんのお尻はOK。どういうこっちゃねん。

↑絶対カットされてると思ったのに、どういうわけかカットされていなかった

烈くんのお尻を見逃した一方で、「これカットかよ!」というものもあります。第43話「王子様とレース! ジュン愛逃避行」で、指を怪我したシロント王子に、ジュンちゃんが「こんなの唾つけとけば治るわよ」と言って王子の指を舐めるシーン。なんとこのシーンがカットされていました。どうもこの指を舐めるという行為がえっちぃと判断されたと思われます。ちょい過敏じゃないか? というか、これをえっちぃと思う発想がえっちぃんじゃないかと思うんですがどうですか、イタリアの皆さん!

↑このシーンはイタリアではえっちぃと判断されたらしくカットされた
イタリア人がえっちぃと判断する基準が分からん…

こういうシーンを気にするくらいなら、大神マリナの服装を気にする方がいいと思うのですが、マリナの服装には別段手が加えられることはありませんでした。女の子のヘソ出しは海外では規制対象になる国もあり、『ポケモン』のカスミが海外での規制の対策として、普段からトゲピーを抱いて腹部を隠すことになったのは有名な話です。
それにしてもマリナさん、あなた本当に小学4年生ですか?

↑MAX編登場の大神マリナ。小学4年生。大神博士の娘である
彼女の服装はイタリアで問題にならなかったのだろうか?

とまあ、『レツゴ』でもこういう風に規制が入るわけで、日本人が全然暴力的だともえっちぃとも思っていないシーンが、海外では暴力とかえっちぃとか考えられることがあるよ、というお話でした。『レツゴ』で規制が入るんだから、『ドラゴンボール』なんかはもっと大変だったわけで、その辺の話も機会があればできるといいなあ、と思っております。

ところで、暴力シーンに敏感な国より、暴力シーンに寛容な日本の方がずっと治安がいいことを考えると、暴力的なマンガやアニメで子供が暴力的に育つなんてのは嘘っぱちですな。親や周囲がちゃんと教育していれば、『キャプテン翼』を読んでサッカーをやりたくなることはあっても、『ドラゴンボール』を読んで人を殴りたくはなりませんよね。子供が暴力をふるうとしたら、それはマンガやアニメのせいではなく、原因は別のところにあるんだと思う。

それにしても『レツゴ』は面白いなあ。昔から『キャプテン翼』とか『MAJOR』とか、小学生が主人公のスポーツマンガ大好きなんですよ。まったく、小学生は最高だぜ!

「MANGA王国ジパング」の『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』への愛は永久に不滅です!

ではまた!

(イタリア版『レツゴ』についてのより詳しい解説はこちら


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この記事へのコメント

 
2014年01月25日 10:52
性風俗の規制の厳しい国ほど性犯罪が多い傾向にあります。
性風俗の規制の緩い国ほど性犯罪が少ない傾向にあります。
世界中どこの国でも、おおよそ当て嵌まります。
性欲は人間の本能に由来するので、規制するだけでは根本的には性犯罪を無くす事はできないはずです。
そうゆう観点で日本は希有な例ではないでしょうか。
 
2014年01月25日 11:38
なっつかしいのもってきたなあwwwwwww
 
2014年01月25日 11:48
首相の淫行も止められない国が、二次規制とは笑わせるわ。
2014年01月25日 17:14
基本的にイタリアってこういう規制があんまりないイメージだったんで意外だな。

別にまったく根拠はないんだけどドラゴンボールとかレッツ&ゴーとか大型タイトルだから日本版からの直輸入じゃなくて米国版とかからの横滑り輸入ってことはないか?

まあ90年代当時は欧米で日本アニメ規制論が結構根強かったみたいだからその影響かもしれないな。
80年代とか00年代以降はどう考えてもこんなに規制してないようだけど。
 
2014年01月25日 18:01
イタリアチームが悪者ってイタリア人的にはどうだったんだろうw
ティアーモ
2014年01月25日 23:10
犯罪の多い国ほどそういった描写に敏感になるのだと思います
だって生々しくて子供に見せられないもの
   
2014年01月26日 01:29
いや、お前らの国の首相を規制しろよwww
ポルノ女優が議員やってたこともあるよな

それはさておき、「子供が」というのがマズイのかね?
大人の暴力シーンやセクシーシーンにも同様の規制があるのかね?
2014年01月28日 22:52
ミニ四駆が回転してコース飛んでる時点でキテレツだぜ!
 
2016年05月02日 18:33
アメリカで規制された版を作ってそれをグローバル版としてイタリアに売り込んだかもってのは一考の価値ある論かも